ロールスロイス初のMTUガスエンジンをフェリーに搭載――環境保護が必要な海域でエコフレンドリー航行

オランダの海運会社Doeksenは、2020年7月1日、ロールスロイス初のMTUガスエンジンを搭載した70メートルフェリー「Willem Barentz」号を就航させた。

MTUシリーズ4000の高速16気筒ガスエンジンは、天然ガスを使うクリーンな船舶用エンジン。出力は1492kWだ。アジマススラスターの固定プロペラを直接駆動することにより、船舶は巡航速度14ノットに到達することができる。Willem Barentz号はこのエンジンを2基搭載している。

Willem Barentz号が航行するのは、UNESCO世界自然遺産のワッデン海。オランダからドイツを経てデンマークまで広がる水域で、その海岸に広がる広大な干潟には数千種もの生物が生息しているといわれている。環境保護が強く求められている海域だ。

MTUガスエンジンの排出物は排気後処理を必要とせず、国際海事機関(IMO)によるNOx(窒素酸化物)3次規制で定められた規制値を大幅に下回る。粒子量は検出しきい値を下回り、硫黄酸化物は排出せず、ごく少量の窒素酸化物しか排出しないという。

ロールスロイスのパワーシステムズ部門で海運・政府関連事業部長を務めるKnut Müller氏は「Doeksenが、特別な環境保護を必要とするワッデン海でのエコフレンドリーなフェリー運行のために、我々の新しいガスエンジンを採用してくれたことを誇りに思う」とコメントしている。Doeksenは同型のフェリーをもう1隻2020年9月に就航させる計画だ。

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Premiere for Rolls-Royce’s first MTU gas engines in new Doeksen ferry

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