- 2020-10-21
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- Skeleton Technologies, SuperBattery, ウルトラキャパシタ, グラフェンバッテリー, 二次電池, 電気二重層コンデンサ
エストニアに拠点を置くウルトラキャパシタのスタートアップ「Skeleton Technologies」は2020年9月8日、15秒で充電できるグラフェンバッテリー「SuperBattery」の開発に関し、ドイツのカールスルーエ工科大学(KIT)と提携したと発表した。
SuperBatteryは、ウルトラキャパシタ(電気二重層コンデンサ)ベースの二次電池。ウルトラキャパシタは、電池に比べて内部抵抗が低く、短時間で充放電が行える。また、電極での化学反応ではなくイオン分子が電化を蓄えるため、充放電による劣化が少なく寿命が極めて長い。次世代の電気自動車用バッテリーとして有望視されているが、エネルギー密度(体積あたりの充電容量)の低さが課題だ。
Skeleton Technologiesによれば、ウルトラキャパシタの材料としてCurved Graphene(湾曲グラフェン)を使うことにより、大容量化、長寿命化が可能になり、長い充電時間、バッテリーの劣化、航続距離の不安(range anxiety)という、電気自動車の3つの課題が解決できるという。SuperBatteryは、ヨーロッパだけでなく、日本、アメリカ、中国などへ特許出願中だ。
同社は、エネルギー蓄積技術でその名を知られるKITと提携し、SuperBatteryなどの次世代エネルギー蓄積技術の市場展開を図るとしている。CEO、Taavi Madiberk氏は、SuperBatteryは自動車業界のゲームチェンジャーになる、とコメントしている。
また同社は最近、SuperBatteryを市場に投入するための主要な自動車OEM業者と10億ユーロの内示書(letter of intent)を交わしたとしている。
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Skeleton and KIT are developing a new graphene battery charging in 15 seconds