- 2021-6-23
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- AI, ARメガネ, Facebook, Facebook Reality Labs(FRL), コンテキスト, ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI), リストバンド型入力デバイス, 筋電図(EMG), 超低摩擦入力
米FacebookのAR/VR技術研究開発部門であるFacebook Reality Labs(FRL)は、ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)の未来に関して3部構成でブログ記事を投稿。2021年3月18日に投稿の第2部では、コンテキストを理解するAIと組み合わせたリストバンド型入力デバイスについて説明している。
FRLはARメガネの理想的な入力デバイスのタイプについて思案。快適に1日中装着でき、装着時もあまり目立たず、しかも手の動きの情報が取り込みやすいという理由でリストバンド型にたどり着いたという。システムとよりシンプルにやり取りできる「超低摩擦入力」を目指しており、この際に重要になる技術の1つが筋電図(EMG)となる。
この技術によりセンサーが検出した動きに関する電気的な神経シグナルを、コマンド変換してデバイスに伝える。手首を通る神経シグナルは非常にはっきりとしているため、わずかな指の動きも理解できることから、さまざまな制御で利用可能だという。最初のステップでは、ボタンをタップするような「クリック」と呼ばれるシンプルな制御を提供。最終的にはARオブジェクトを移動させるといった、より情報量の多い制御が可能になる。
また、コンテキストを理解するAIが、環境と過去のアクションに基づいて選択肢を提案することで、ユーザーは指を少し動かすだけで選択や変更ができる。
さらに触覚フィードバック技術も開発中で、例えば弓の弦を引き戻す感覚を提供することで、ユーザーはアクションを正しく実行できているかどうかが確認できる。
FRLは技術開発と並行して、HCIの未来について、オープンかつ透明性ある議論をしていく。脳神経倫理といった重要なテーマについても取り扱い、潜在的なリスクの特定と対処に役立てる意向だ。
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Inside Facebook Reality Labs: Wrist-based interaction for the next computing platform