- 2021-6-22
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- 16QAM変調方式, 4コア光ファイバ, 552波長多重, Beyond 5G, NICT, S帯, ラマン増幅, 希土類添加ファイバ, 情報通信研究機構, 研究
情報通信研究機構(NICT)は2021年6月21日、研究開発用標準外径4コア光ファイバー上で、波長多重技術と2種類の光増幅方式を用いた伝送システムを構築し、毎秒319テラビット、3001kmの大容量、長距離伝送実験に成功したと発表した。
通信量増大に対応するために新型光ファイバーおよび伝送システムの研究開発が進んでいる。大容量伝送技術の1つである波長多重技術では、これまでC帯とL帯波長を使用するのが一般的で、帯域を広げてS帯を利用した場合、大容量化にはつながるが光増幅技術が伴わないために、数10km程度しか伝送できなかった。
今回NICTは、研究開発用に市販されている標準外径(0.125mm)の4コア光ファイバーを用いて、波長多重技術と光増幅方式を駆使した伝送システムを構築した。
同システムではC帯、L帯に加えてこれまで利用が難しかったS帯も用いて広帯域化。552波長多重と16QAM変調方式によって、毎秒319テラビットの大容量を実現した。さらに、希土類添加ファイバーを使用した増幅器とラマン増幅を組み合わせて周回ループ実験系を構築。これにより3001kmの長距離伝送に成功した。
上記の結果、一般的な伝送能力の指標である伝送容量と距離の積で換算すると毎秒957ペタビット×kmで、NICTによるとこれまでの標準外径光ファイバーの同指標世界記録の約2.7倍となり、世界記録を達成した。
今回開発した標準外径光ファイバーを用いた技術は、既存設備でケーブル化が可能なため、大容量長距離伝送を早期に実用化できる。またBeyond 5G(5G以降)の新しい通信サービスの普及に必要な基幹系通信システムの実現にも貢献するという。