失った4本の指の代わりとなる機械式義指をDIY――アーチェリーの弓を持てるようにするデバイスも作製

Ian Davis/YouTube

DIYで自分用の手指義手を作製しているIan Davis氏が、2021年7月に、4本の指を失った利き手の左手でアーチェリーの弓を持てるようにするデバイスを作製し、その作製過程をYouTubeで公開した。

多発性骨髄腫を患っていたDavis氏は、2019年に、仕事中の事故で左手に大けがを負った。やがて、そのけがは深刻な合併症を引き起こしたため、命を守るために左手の親指以外の指4本を切断しなければならなかった。

しかし、当時、彼の保険は義指を給付対象として認めていなかったため、もともとメイカーでもあったDavis氏は自ら義指を作り始め、その製作過程をYouTubeなどで公開するようになった。

Davis氏は、2020年7月には既に、左手に取り付けて、手首を前後に曲げ伸ばしすると4本の義指を握るように閉じたり広げて開いたりでき、手首を横方向に動かすことで義指を横に広げたり閉じたりできる機械式デバイスを作製して公開している。2021年5月頃には、義指部分を閉じたり開いたりする機能を改善したバージョンを公開するなど、改良を進めている様子がうかがわれる。

さらに、2021年7月には、アーチェリーの弓(ボウ)を持つことに挑戦した。Davis氏は指を失う前は、ターゲットアーチェリーを楽しんでおり、かなり得意だったという。しかし、彼は弓をしっかりつかんでホールドするために必要な指を失ってしまった。そのため、再び弓を射るためには、弓を持つための新しい方法を考え出さなければならなかった。

Davis氏は弓に取り付けるデバイスの作製過程と、完成したデバイスを用いて試射する様子を撮影し、一連の動画をYouTubeで公開した。

動画の中でDavis氏は、これが誰かを励ますことになれば、と述べている。もし突然「ミッシングパーツ(欠損部分)クラブ」の一員になってしまって、それでも、まだ何かをすることが本当に好きなら、その能力や機能を取り戻そうと踏み出すことは、多少の努力は必要かもしれないが、それが本当に人生をより良いものにするならやってみるに越したことはない、とコメントしている。

関連リンク

Ian Davis(YouTube)
FORGE PROSTHETIC DEVICES: DIY prosthetic devices

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