ZMPは2016年8月30日、ルネサスエレクトロニクスの車載向けSoC「R-Car」を搭載した、実車の1/10スケールの実験車両「RoboCar 1/10 R-Carパッケージ」(仮称)の開発を開始したと発表した。
R-Carは現在量産中の車載情報端末向けSoCだ。2万5000DMIPS以上の高い性能を持ち、PowerVR、アーキテクチャ高性能グラフィックスコアG6400を採用。ルネサス独自の画像認識コアIMP-X4を搭載し、OpenCVに対応している。
RoboCar 1/10は、実車の1/10のスケールの筐体に、単眼カメラ、赤外線センサ、レーザレンジセンサ(オプション)を搭載。加速度/ジャイロセンサとエンコーダにより車両の挙動や走行距離を測定できる。各センサ情報の取得や、速度/操舵角制御、通信などのライブラリが開発環境に用意されており、ユーザーが自由にアプリケーションを開発できるという。
RoboCar 1/10 R-Carパッケージは、RoboCar 1/10にR-Carを搭載した評価ボードである「ADAS スタータキット」を搭載している。このパッケージを用いれば、机の上でPCと接続してプログラム開発を行い、床に実機を置いて実際に自分の作ったアプリケーションの動作を確認できる。
また、複数のカメラで周囲の物体を検出するアプリケーションの開発も可能だ。さらに走行するアプリケーションを開発すれば、障害物を回避しながら走行するというようなアプリケーションの開発も、小さなスペースで実験までできる。
同社によると、自動運転や運転支援技術開発での実車実験の前段階や、建機/農機/移動ロボットでの自律移動、または遠隔操作のための要素技術の研究開発において、手軽に実験ができるツールとして活用できるという。
同製品は2017年3月の販売開始を予定している。