5Gのミリ波無線通信技術に対応する透明アンテナと電源不要のリピーターを開発 日本電気硝子

日本電気硝子は2022年6月23日、5Gのミリ波無線通信技術に対応するガラス基板を用いた透明アンテナと、電波レンズを用いた電源不要のリピーターを開発したと発表した。景観を損なわずにアンテナの機能を付与し、5G無線通信エリアを拡大する。

Sub6(6GHz未満)とミリ波(28GHz)の2つの周波数帯の電波を使用する5Gの高速通信には、広い帯域を確保できるミリ波帯の利用が必要となるが、ミリ波帯の電波は大気中での減衰が大きく、直進性も高いため、遮蔽物の背後に回り込みにくい性質がある。

今回、これらの課題を解決し、広いエリアをカバーする仕組みを開発。その一つである透明かつ効率の良い透明アンテナは、特殊なアンテナパターンを世界最小の比誘電率4.0、誘電正接0.002を有するガラス基板上に施している。

ガラス基板は、アンテナの生産性を向上。大型化への対応や、多面取りができるほか、複数の帯域のアンテナを1枚の基板上に形成できる。また、アンテナを透明にすることにより、取り付け場所のデザインや景観を損なわずにアンテナの機能を付与できるため、窓や壁、ディスプレイ、車などさまざまな箇所に設置できる。

透明アンテナの使用イメージ

もう1つの開発製品であるリピーターは、2つの電波レンズと導波管で構成。このリピーターの使用により、電源を一切使わずに、壁や窓ガラスなどで電波が遮蔽される状況下でも電波のやりとりをしたり、電波の方向を変えたりできる。

電波レンズを用いたリピーター

レンズの形状を変更することで、一定方向に電波を送ることや、広範囲に送ることに対応。また、ガラス製であるため紫外線による劣化が少なく、屋内外のさまざまな場所で長期間安定して使用できる。

リピーターの使用イメージ

同社は、市場へ開発した2種類の製品を供給し、ミリ波領域の電波の利用を拡大し、普及していくとしている。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る