独フォルクスワーゲンは2018年9月26日、新たな電気自動車ファミリー「ID.(アイディ.)」のシャシーを初めて公開したと発表した。
ID.用シャシーは、ガソリン車の設計を参考にせず、電気自動車向けのシャシーとしてゼロから設計した。重量配分の最適化と走行性能の向上を図り、電気モーターとギヤボックスをリヤアクスルに組み込み、バッテリーを車両のフロア下に収納する。航続距離はWLTP基準で330~550km。125kWhの急速充電システムを利用すれば、30分以内に最大80%まで充電可能だ。コネクテッド機能も備えるという。
ホイールベースを長くしてオーバーハングを短くし、フロントとリアのアクスルをより外側に配置することで、十分な車内スペースを確保した。従来よりも1つ上のセグメントに匹敵する広さとなり、シートも高めに設置できるという。
ID.用シャシーは、モジュラーエレクトリックドライブマトリックス(MEB)をベースとしている。MEBは、アウディ、セアト、シュコダなどが製造する電気自動車にも活用され、延べ1000万台以上の基盤になると見込んでいる。
今回、披露されたシャシーは、コンパクトカー、SUV、バンなど、さまざまなタイプの電気自動車に採用される見通し。ID.ファミリーの製造は2019年に始まり、2020年には4ドアコンパクトカーをGolfのディーゼル仕様と同程度の価格帯で発売する計画だ。