世界で初めて量子カスケード光検出器の製品化に成功――室温動作かつ遮断周波数20GHzを実現 浜松ホトニクス

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浜松ホトニクスは2021年9月28日、世界で初めて製品化に成功した、中赤外光に感度を持つ光検出器「量子カスケード光検出器(Quantum Cascade Photodetector、以下QCD)P16309-01」の販売を2021年10月1日より開始する。受光層に量子構造を用いることで、室温動作かつ遮断周波数20GHzを実現した波長4.6μmの中赤外光に感度を持つQCDとなる。価格は49万5000円(税込)。

同社は、QCLの開発で培ってきた量子構造設計技術によって量子構造を工夫し、結晶成長技術、半導体プロセス技術を応用することで、暗電流を低減するとともに信号量を増やし、QCDの感度を高めることに成功した。

また、通常の光半導体素子では受光素子とパッケージ電極を金属のワイヤーで接続するが、今回はめっきで接続するエアブリッジ配線を採用し、大幅にインダクタンスとキャパシタンスを低減。これらにより、世界で初めてQCDの製品化に成功し、実用化されている室温動作のQCDでは世界最高となる遮断周波数20GHzを達成した。遮断周波数とは、応答速度の限界を1秒間に信号を検出できる回数で表した値である。

素子構造のイメージ(エアブリッジ配線)

分析機器の光検出器として用いることにより、燃焼や爆発などの化学反応をピコ秒(ps)単位で計測できることから、これまで不可能だった極めて短い時間間隔での分析ができる。また、高速大容量の空間通信や長距離向けLiDARなどへの応用も期待されるという。受光感度(25℃)は1mA/Wである。

室温で動作するため大型の冷凍機が不要で、動作に電圧をかける必要がないことから外部電源も不要としている。これにより、体積8cm3と小型パッケージ化(質量:20g、本体外形寸法:20×20×20mm)した。さまざまな実験装置や分析機器などに組み込める。また、集光レンズを内蔵し、光学調整がしやすくなっている。

国内外の研究機関や分析機器メーカー、通信事業者、輸送機器メーカーなどに向け、販売する。同社は今後、さまざまな波長の中赤外光に対応した製品の開発を進めていく。また、P16309-01とQCLなどのレーザ製品をセットで提案することで新たな市場を開拓していくという。

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