- 2022-11-25
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- Boeing, Charles Q. Brown, Jr., Lockheed Martin, Raytheon Missiles & Defense, Raytheon Technologies, Southern Cross Integrated Flight Research Experiment (SCIFiRE), スタンドオフ距離, 極超音速兵器, 極超音速攻撃型巡航ミサイル(Hypersonic Attack Cruise Missile:HACM), 米空軍
米空軍は、2022年9月22日、飛翔速度がマッハ5を超える極超音速攻撃型巡航ミサイル(Hypersonic Attack Cruise Missile:HACM)のプロトタイプ開発および実証に関して、防衛大手の米Raytheon Technologies傘下のRaytheon Missiles & Defenseに約9億8500万ドル(約148億円)の契約を発注したと発表した。
HACMは、紛争環境でスタンドオフ距離から価値の高い標的を狙うために設計されている、極超音速兵器だ。米空軍は、2020年からオーストラリアとの二国間プロジェクト「Southern Cross Integrated Flight Research Experiment (SCIFiRE)」に従事し、大気中の酸素を取り込んで燃焼する吸気式極超音速巡航ミサイル開発に取り組んでいる。
2021年6月にはSCIFiREの一環として、Boeing、Lockheed Martin、Raytheon Technologiesの3社に15カ月契約を発注し、極超音速巡航ミサイルの予備設計を依頼していた。米空軍は今後、HACMプログラムでRaytheon TechnologiesによるSCIFiREプロトタイプ設計を戦闘機に統合運用する予定だ。
米空軍参謀総長のCharles Q. Brown, Jr.大将は「HACMにより、戦闘機が一刻を争う高価値の標的を狙う一方、爆撃機を他の戦略目標に対して維持するという戦術的柔軟性を司令官は獲得できる」と語っている。米空軍は2027会計年度までに運用可能なHACM能力を獲得する計画だ。