- 2023-6-9
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- AARGM, AARGM-ER(Advanced Anti-Radiation Guided Missile Extended Range), AGM-88G, EA-18G Growler, F-35A, F-35B, F-35C, F/A-18E/F Super Hornet, Gordon Turner, Northrop Grumman, ウィリアム・J・ペリー賞, 国家安全保障, 空対地ミサイル
米Northrop Grummanは2023年5月8日、空対地ミサイル「AGM-88G」の発射テストに5回連続して成功したと発表した。同ミサイルは、アメリカ海軍が2024年に計画する初期運用能力の整備に向け、2023年後半に納入が開始される。
このミサイルは、「AARGM-ER(先進対電波源誘導ミサイル射程延長:Advanced Anti-Radiation Guided Missile Extended Range)」と呼ばれる。その攻撃能力は、敵地にあるレーダーなどの電磁波を放射する防空システムを、その探知エリア外の射程から破壊できる。
AARGM-ERは、既存の中距離空対地ミサイル「AARGM」の更新版だ。開発にはデジタルモデリングを導入し、AARGMで実績のあるセンサーほか電子機器を活用して、新しいロケットと弾頭を追加することで、敵の防空システムを探知して交戦する能力を持たせた。
AARGM-ERを搭載予定の戦闘機は、海軍のF/A-18E/F Super Hornet、EA-18G Growler、空軍のF-35A、海兵隊のF-35B、海軍・海兵隊のF-35Cが挙がっている。
Northrop Grummanの先進兵器担当副社長であるGordon Turner氏は、AARGM-ERの役割について、敵の脅威をより早く探知する能力を実証できると述べた。加えて、今回の試験の成功は、ミサイルの射程距離の延長、即応性、有効性を証明するものだと説明した。
また、AARGM-ERを開発した官民のチームは、ウィリアム・J・ペリー賞を受賞している。受賞の背景には、国家安全保障の強化、精密攻撃能力の優位性を確立するシステム構築への卓越した貢献という評価があった。