地球低軌道へ物資や人を輸送する、スペースプレーン「Dream Chaser」のシステム起動に成功

商業宇宙分野のリーディングカンパニーである米Sierra Spaceは、2023年5月31日、世界初の商用スペースプレーン「Dream Chaser」のシステム起動に成功したと発表した。

Dream Chaserは、地球低軌道(LEO)上の国際宇宙ステーション(ISS)などへの輸送用に設計された再利用可能な宇宙往還機だ。スペースシャトルの4分の1ほどの大きさで、打ち上げ、飛行、着陸を自律的に実行する能力を持つ。大気圏再突入時の重力加速度は1.5Gと小さく、対応する世界中の民間滑走路に着陸できる点も特徴だ。

同社は、周回軌道上でDream Chaser搭載の太陽電池アレイが生成する電力をシミュレートし、その電力をDream Chaserに供給してシステムを起動させた。すると、システムは正常に起動し、同社はフライト・コンピューター、基本プロセッサー、低電圧配電ユニットが動作することを確認した。

同社CEOのTom Vice氏は、今回の成果を受けて「当社のスペースプレーンDream Chaserは、民間宇宙旅行を再定義する態勢が整っており、宇宙での科学研究や技術発展、経済的機会に新たな可能性をもたらしている」と述べている。

開発中のDream Chaserは、最大乗員数7人の有人機と、最大5500kgの貨物を運搬できる無人カーゴシステムがあり、有人機とカーゴシステムの約85%は共通しているという。

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