- 2019-11-7
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- KT1612シリーズ, KT2016シリーズ, Wi‐Fi 6(IEEE802.11ax), プラズマCVM技術, 京セラ, 位相ジッタ, 位相ノイズ, 多値変調方式, 水晶振動子, 温度補償型水晶発振器(TCXO), 第5世代移動通信システム(5G)
京セラは2019年11月6日、業界最高クラスの低位相ノイズ特性を実現した小型温度補償型水晶発振器「KT1612シリーズ」と「KT2016シリーズ」を開発したと発表した。同日から市場投入を始め、2020年3月から量産を開始するという。
第5世代移動通信システム(5G)やWi‐Fi6(IEEE802.11ax)など、通信の高速・大容量化に対応するため、伝送効率が高い多値変調方式への移行が進んでいる。しかし、この方式はノイズや揺らぎに弱いため、多様な環境中で安定した周波数を出力可能な、小型の温度補償型水晶発振器(TCXO)が求められていた。
そこで、京セラは今回、山形東根工場で育成した高品質(高Q値)の人工水晶から水晶振動子を作製。これを、超高精度加工が可能なプラズマCVM技術で最適化し、ノイズを抑制した発振回路と組み合わせることで位相ノイズの業界最高クラスの低減を実現した。具体的には、デバイスに固有なノイズによる振幅と位相の揺らぎを表す位相ノイズが、100kHzのオフセット周波数で-168dBc。波形に生じる時間軸のずれと揺らぎを表す位相ジッタは、12kHzから5MHzの範囲で68fs(フェムト秒)を実現している。
京セラは、今後も低位相ノイズ特性を持つ製品を拡充すると共に、スマートフォンやネットワーク機器などの通信品質の向上に貢献していくと説明している。