車載情報機器用の新しいLinuxディストリビューション発表

Linux Foundationは2016年1月5日、車載情報機器用のソフトウェアスタック(複数層で構成するソフトウエア群)共同開発プロジェクトであるAutomotive Grade Linux(AGL)が、新しいLinuxディストリビューションとしてAGLユニファイド コード ベース(Unified Code Base:UCB)をリリースしたと発表した。

この新しいディストリビューションは、AGLのほかTizenやGENIVI Allianceなどの既存のオープンソース・プロジェクトを利用しつつ、自動車専用アプリに対応できるようゼロから開発されたもの。自動車特有の要件を満たすようにカスタマイズされており、また車載情報機器(In-Vehicle-Infotainment:IVI)だけではなく、自動車のあらゆるアプリケーション(計器盤、ヘッドアップ・ディスプレイ、テレマティクス、コネクテッド・カーなど)に対応できるさまざまなプロファイルを作成できるよう設計されているという。

ベースとなっているのはYocto Project(オープンソースの組込みLinuxシステム開発環境)で、複数のプロジェクト(AGL、GENIVI、その他)が共有できる共通のIVIレイヤ、GitコードリポジトリやGerritコードレビューなどのオープンソース開発基盤、Jenkinsによる継続的インテグレーション(Continuous Integration:CI)などの機能を持つ。

また、QTマルチメディアとQMLアプリケーションをサポートするほか、マイクロチップ技術で開発された初のオープンソースMOST(Media Oriented Systems Transport)デバイスドライバーも搭載している。

サポートされるプラットフォームは、「Renesas R-CAR M2 PORTER」、「Renesas R-CAR E2 SILK」、Intelの各種ボード(「MinnowBoard MAX」など)及び「QEMU x86」。さらに、今後数カ月でサポート対象を増やすとしている。

なお、Linux Foundationは、富士重工業、三菱自動車、マツダ、米Ford Motorが新たにLinux FoundationとAGLのメンバーになったことも別途発表している。

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