竹中工務店は2016年2月4日、iBeaconを利用して作業所などで高所作業車や建設機械、作業員の位置を把握するシステムを開発したと発表した。
近距離無線通信技術「iBeacon」を用いた発信機を建設機械に取り付け、作業員が持つ携帯端末から約10m以内に近づくと自動で携帯端末に位置情報が送られる仕組みだ。位置情報は携帯端末に保存されている作業所平面図にプロットされ、作業員は建設機械の最新の位置情報を手元で確認できる。
無線発信機を作業所場内に10~20m間隔で配置し、無線標識として使用することで、屋内でも位置情報を5~10mの精度で把握することができるという。これにより作業車の位置をその都度探して確認していた手間が省け、管理業務の負担を軽減することができるという。同社が試験運用した作業所(インモール堺鉄砲町作業所)では、毎日30分の作業車などの探索時間が、導入後はほぼゼロになったとしている。
iBeaconを利用したことで、従来のGPSを使用したものや、高価な専用機器を使用したものと比較して、安価で屋内でも精度の高い位置情報の把握が可能になったという。今後はさらなる生産性の向上を目的として、位置情報だけでなく稼働率などを把握できるように研究開発を進めるという。