世界初、4ストロークアンモニア燃料エンジンを開発――重油と比べて最大90%以上の温室効果ガスを削減 IHI原動機

IHI原動機は2024年4月8日、4ストロークアンモニア燃料エンジンを開発したと発表した。内航船(A-Tug:アンモニア燃料タグボート)の主機関に向けたものとなっている。

同社は2023年4月、同社の群馬県太田工場にて、280mmボア(エンジン内のシリンダー直径)の4ストロークアンモニア燃料エンジンの実機を用いた陸上運転試験を開始した。

燃料アンモニアの混焼割合を高めており、最大混焼率が95%に達している。混焼率を高めることで、エンジン由来の二酸化炭素排出量を削減できる。

また、アンモニア燃焼における温室効果ガス(GHG)の削減率は、重油と比べて最大90%以上となった。

加えて、タグボートに要する負荷変動への追従性能をアンモニア運転で確立。運転中や停止後の実機からのアンモニア漏洩がないことも確認している。

これらを受けて、2023年12月に日本海事協会の型式承認試験を受検。アンモニア燃料エンジンでの船級型式承認が発行された。同発表によると、世界初の成果だという。

さらに、国際海事機関(IMO)の窒素酸化物(NOx)認証試験も受検。ディーゼル運転モードにおいて、エンジン単体でTierⅡ規制値を満たしているとの認証を得た。

アンモニア運転モードでは、排ガス後処理装置付きでTierⅢ規制値と同レベル以下となっていることをNOx鑑定試験により確認している。同発表によると、アンモニア燃料エンジンでのNOx鑑定取得も世界初だという。

今後、アンモニア燃料エンジンやアンモニア供給装置などをA-Tugに搭載し、2024年6月の竣工を目指す。竣工後は、横浜港にてGHG排出削減効果などを検証する計画だ。

A-Tug完成イメージ

加えて、外航船補機関向けに250mmボアのエンジン開発も開始した。日本郵船やジャパンエンジン、日本シップヤード、IHI原動機、日本海事協会で共同開発中のアンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGC)での採用を予定している。AFMGCは、2026年に竣工する予定となっている。

計画スケジュール

関連情報

topics | 株式会社IHI原動機

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る