日立オートモティブシステムズ、マイルドHEV向けに48Vリチウムイオン電池パックを開発

日立オートモティブシステムズは、エンジン駆動時に小型電池とモーターでアシストし、燃費を改善するマイルド・ハイブリッド車両(以下マイルドHEV)向けに、高出力の48Vリチウムイオン電池パックを開発したと発表した。2016年夏以降から自動車メーカーへサンプル製品の供給を開始し、2018年度の量産を目指すという。

現在、国内の自動車市場では、100V以上の高電圧電池を搭載するストロング・ハイブリッド車両が主流だ。マイルドHEVは、軽自動車用途として、電圧の低い12Vのリチウムイオン電池や、蓄電部品であるキャパシタを用いたものに限られている。しかし欧州や中国では、比較的安価で燃費改善できる技術として48Vリチウムイオン電池を用いたマイルドHEVが注目されており、今後の急速な市場拡大が見込まれるという。

このような動向を踏まえて同社では、従来から得意とするハイブリッド車両向けリチウムイオン電池セルの製造技術と、バッテリー・マネージメント・システム(BMS)技術を用いて、2016年3月に48VマイルドHEV向けリチウムイオン電池パックの基本設計を完了した。

今回開発した電池パックは、BMS基板、セルに加え、リレー、ヒューズを一体実装した積載性の高いオールインワンパッケージだ。低温特性に優れ、従来の同社製電池セルに比べ約1.5倍の出力密度となる角形リチウムイオン電池セルを内蔵しているという。

48Vシステムに用いられるモーターでの加速アシストでは、充分なトルク性能が発揮できる最大出力10kW以上、最大入力13kW以上(いずれも10秒間)を実現。また、コンパクトなデサインで、車室内での設置自由度も向上するとしている。

サイズは175×280×100mm、セル数は12個、重量は5.0kg。使用電圧範囲は33V~51V、容量は5.5Ahとなっている。

なお、開発と販売を日立オートモティブシステムズが行い、製造は日立ビークルエナジーが行う。

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