直径3.35m、次世代ボーイング向けの世界最大のジェットエンジンをGEがテスト

GE Aviationは、世界最大のフロントファンを持つジェットエンジン「GE9X」の試験を開始した。GE9XはBoeing 777シリーズの次期モデル「777X」に搭載される予定のエンジンだ。

GE9Xのフロントファンの直径は132インチ(3.35m)で、Boeing 777-300ERなどに搭載される「GE90-115B」のフロントファン(直径128インチ)より10cmほど大きい。推力はGE90-115Bの12万7500ポンドに対しGE9Xは10万ポンドとスケールダウンされたモデルではあるが、各部の仕様はBoeingが777X用として求める燃費向上など高効率化を狙ったものとなっている。

GE9Xの燃料ノズルは、3Dプリンタで製造されているのが特徴だ。3Dプリンタによって、従来技術では難しかった複雑な内部構造を一体成形することができる。GE AviationのスポークスマンRick Kennedy氏は、この企業秘密であるノズルの内部形状が、燃料効率を左右するノズルから噴射される燃料の燃焼室内での挙動に決定的な影響を与えると述べている。

また、GE9Xは燃焼機構とタービンにセラミックス基複合素材(CMC)を使用している。CMCは摂氏約1300度の高温に耐える新素材だ。エンジンの運転温度が高いほど燃焼効率も高くなるので、CMCを採用したことでエンジン内部をより高温に保ち燃焼効率を上げることが可能となる。

さらに、GE9Xは第4世代の炭素繊維複合材料を使った16枚のファンブレードと11ステージコンプレッサが生み出す27:1の圧縮比によって、エンジンの効率を高めている。この高圧縮比は、商用ジェットのエンジンとしては他に類をみないという。

GE9Xのテストは3月に始まり、空気力学、温度、機械的特性などの検証を数カ月かけて実施する。テストは来年以降も継続し、2010年代には商用化する予定だ。

関連リンク

GE REPORTS: GE Started Testing The World’s Largest Jet Engine

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