アウディジャパンは2016年5月26日、同社の自動運転テストカー「ジャック」が高速道路(アウトバーン9号線)での走行試験にて高度な社会性を示したと発表した。必要な運転操作を完璧にこなしただけでなく、他の車両に対して配慮するなど、人間が操縦する時と同様の自然な走りを見せたという。
ジャックは、Audi A7をベースにした自動運転テストカーだ。アウトバーン9号線での走行試験では、道路上で遭遇する不意の状況に余裕をもって対応。トラックを追い越すときには横方向の車間距離を少し余分に開けるなど、安全でインタラクティブな運転スタイルを見せた。
他には、周囲のドライバーたちに意図を伝えるための運転動作も披露。車線変更の時には、ウインカーを操作した後、移動する側の車線マーカーに少し幅寄せしてから実行した。
他の車両が同じ車線に合流しようとしている時には、協調能力の高さを発揮。ドライビングプロファイルに基づいて加速するかブレーキをかけるかを素早く決断し、いずれの場合でも交通の流れを阻害しないように速度を調整した。
ジャックの自動運転機能は、zFASと略されるセントラルドライバーアシスタンスコントローラーが支えている。zFASは、高性能プロセッサーを用いることで、あらゆるセンサからのシグナルをリアルタイムで分析し、クルマを取り巻く状況をモデリングする。ジャックはこのモデリングにより、その時々の交通状況を可能な限り正確に把握し、次に行うべき操作を滞りなく導き出す。
ジャックは、ナビゲーション機能との連携によるルート検索機能も搭載。ユーザーが望めば、自動運転区間が最大となるようにルート検索してくれるという。
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