- 2022-11-22
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- CO2, Hanyang大学, オンデマンド回収装置, セリウム酸化物, ドープ, 二酸化炭素, 吸着, 固体酸化物, 希土類酸化物, 早稲田大学, 研究, 離脱, 電位
早稲田大学は2022年11月21日、特定の物質の電位を制御することで二酸化炭素(CO2)を選択的に吸着、離脱できることを発見したと発表した。
CO2回収は従来、回収能力のある液体にCO2を吹き込んで吸収させる方法が一般的だ。しかしこの方法では、放出の際に外部から加熱する必要があり、そのためにエネルギーを消費してしまうという課題があった。
今回の研究では、希土類酸化物であるセリウム酸化物に異種の金属元素をドープした材料に対して、外部からプラスとマイナスの直流電位を与えた場合のCO2の吸着と離脱の状態を解析。プラスの強い電位を与えた場合にCO2が選択的に吸着し、マイナス電位に切り替えることで離脱することを理論的に明らかにした。
今回の発見によって、従来の液体でのCO2回収方法とは異なる、乾式かつ小型で、さらに必要な時にのみ動作するオンデマンド駆動が可能なCO2回収/濃縮プロセスを実現できる可能性が示されたという。
今後は、今回発見した現象に基づいて、実際に当該材料を用いたオンデマンド回収装置を稼働し、従来よりも低エネルギーで回収/濃縮が可能なことを実証していきたいという。
なお今回の研究は、早稲田大学と韓国のHanyang大学による国際共同研究となる。