- 2016-6-2
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- ウェアラブルデバイス, ペンシルバニア州立大学, 窒化ホウ素ナノシート, 自己修復型電子素材
ペンシルバニア州立大学の研究チームは、柔軟性があり何度も破損しても機械的特性や電気的特性を失うことなく自己修復する電子素材を開発した。
こうした自己修復性は、使用中に繰り返し応力を受けるウェアラブルデバイスに使用する場合には特に重要だ。例えば、自己修復後に電気抵抗率が回復したとしても、熱伝導率が回復しなければ電気回路がオーバーヒートするかもしれない。
公開された動画では、この素材で作成した試料をハサミで切断し、切り口を合わせ80℃で30分加熱すると、切断した痕もほとんど残らずに修復している。接合部分の引張強度も損なわれていないらしく、10mmの試料を15mmまで引き延ばしても修復部分は破断しない。
この新素材は、プラスティックポリマーの基材に絶縁体である窒化ホウ素ナノシートを加えたものだ。今まで開発された自己修復素材と異なり、修復後も機械的強度、熱伝導性、絶縁性などが損なわれないという。
従来の自己修復型電子素材が導電性に着目していたのに対し、この素材は絶縁性に重点を置いている。研究チームを率いたQing Wang教授(材料科学工学)は「自己修復電子素材の研究の多くは導電性に着目していた。電気接続性は必要だが、マイクロエレクトロニクスの保護や絶縁性も同様に必要だ。」と述べている。
この新素材は、ウェアラブルデバイスの耐久性を高めるばかりか、素材の持つ不浸透性により、シャワーや海辺などの多湿環境下でもデバイスを使えるようにできるという。
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