ルネサス、自動運転制御用マルチコアマイコン向けソフト開発環境「RH850 MBD」を発表

ルネサス エレクトロニクスは2016年6月23日、自動運転の走行制御を容易にするマルチコアマイコン向けソフトウェア開発ソリューション「RH850マルチコア・モデルベース開発環境(RH850 MBD)」を発表した。「Embedded Target for RH850 Multicore(仮称)」の名称で製品化し、2016年秋に発売する計画を明らかにしている。

RH850 MBDは、最適なコア割当てを制御モデルから自動探索し、マルチコア用並列コードとPILS(Processor In the Loop Simulation)環境を数十秒で自動生成する。また、サブシステム単位のコア別実行状況を表示できる。同製品を使用すれば、コア割当、並列ソースコード作成、検証を従来と比べて約10分の1に短縮できるという。

同製品は、イーソルのモデルベース並列化ツール「Model Based Parallelizer(仮称)」のオプション製品「eSOL MBP Renesas RH850 PILS Package(仮称)」と連携して使用可能。シングルコアでのPILS環境により取得した実行時間をもとに、最適なコア割当てを自動探索できる。これにより、利用者はMATLAB/Simulinkモデル上で直接、マルチコアの処理能力を効率よく利用するソフトウェア構成を比較検討できるようになった。

モデルベース並列化ツールのコア割当プランや、ユーザが指示する割当プランに従い、コア間同期処理ブロックやPILS連携用ブロックをモデル上に自動配置し、MathWorksの「Embedded Coder」でRH850用並列ソースコードを生成。同時に自動構築されるマルチコアPILS環境で、マルチコア特有の並列動作に起因する性能のブレをモデリング段階で確認し、開発後期での手戻りを防いで量産コード開発期間を短縮できる。

ルネサスの統合開発環境「CS+」のデバッガ機能により、シミュレーション時のサブシステム単位の実行時間を取得し、コア別実行状況をグラフ表示する。これにより、シミュレーション期間中の最悪実行時間となる制御周期の処理余裕度を確認できるようになった。

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