三井物産、炭素繊維分野に特化するドイツの自動車エンジニアリング会社へ出資

三井物産は2016年8月1日、炭素繊維などの複合材料を使用する自動車構造材設計・エンジニアリング分野のリーディング企業である独Forward Engineering GmbH(FE)に出資参画することで合意し、FEとの業務提携に係る契約を締結した。

近年、自動車を中心とした輸送機器のエネルギー消費を削減する手段の1つとして軽量化が重視されている。そのため、炭素繊維などの軽量化素材を使用した部品市場が今後急速に拡大すると予測される。こうした中、FEはその前身であるRoding Automobile GmbHの頃から量産車の軽量化を切り口に、複合材料を用いた車体開発の設計・エンジニアリング業務を展開し、豊富な実績を有している。

一方、三井物産は同事業分野で昨年4月に金沢工業大学の革新複合材料研究開発センターと、複合材料研究に関する協力協定書及び機械貸借契約を締結し、炭素繊維複合材料による自動車部品等製造の新製法に関する共同開発を開始した。また今年3月に、ノルウェーの炭素繊維強化圧力タンクメーカーであるHexagon Composites ASAと、韓国の炭素繊維加工メーカーである韓国カーボンの株式を取得し、グローバルに炭素繊維関連事業の拡大に取り組んでいる。

三井物産とFEは、今回の資本業務提携を通じ、自動車の軽量化ニーズに応えるべく、炭素繊維などの複合材料を用いた車体軽量化設計・エンジニアリング事業をグローバルに展開し、自動車領域での炭素繊維市場拡大を加速化させるとともに、輸送機器分野における温暖化ガス排出削減の課題解決に貢献していくとしている。

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