凸版印刷は2016年9月14日、台湾のE Inkと共同で、1枚のTFT駆動背面板で構成されたフレキシブル・フルカラーの電子ペーパーで32インチという大サイズの試作品開発に成功したと発表した。2017年末までの商用化を目指すという。
今回の試作品の電子ペーパーパネルは、E Inkが製造するカラー用の「E Ink Pearl」前面板と、高精細フレキシブル基材による「Mobius」背面板の組み合わせで構成されている。
電子ペーパーは外からの光を反射して表示するため、低消費電力で明るい所でも見やすいが、カラーフィルタを用いてカラー化すると、バックライトを用いる液晶ディスプレイより画面が暗くなるという課題があった。
今回、凸版印刷では、電子ペーパーの表示特性に適した色再現技術を確立し、電子ペーパーの表示特性に適したカラーフィルタを開発。また、樹脂基材の伸縮性を考慮した独自技術により、位置精度良くカラーフィルタを形成することにも成功し、画面全体にわたって従来よりも明るい色調の再現を可能にした。
今回試作されたフレキシブルカラー電子ペーパーは、横691.2mm、縦388.8mmの対角32インチサイズ。カラーフィルタはRGBW正方パターンで、画素数は横1280 × 縦720カラー画素。画素ピッチは540um、表示色は4096色。コントラスト比は10:1~12:1(代表値)となっている。
凸版印刷とE Inkは、今後もフレキシブルなフルカラー電子ペーパーの共同開発を進め、2017年末までの商用化を目指すとともに、電子ペーパーの用途拡大に向けた取り組みを進めるとしている。