- 2017-2-13
- 海外ニュース, 電気・電子系
- facetVISION, Fraunhofer, カメラ, レンズ, 複眼
独Fraunhoferは厚さ2mmの複眼カメラ「facetVISION」の生産プロセスを開発したことを明らかにした。facetVISIONは、昆虫の複眼のように同一形状の微小レンズ135個によって構成されている。
スマートフォンの分野では現在、十分な画質を得るためには一般的に厚さ5mmのレンズが必要になり、超薄型のスマホを開発する上で課題となっていた。FraunhoferはfacetVISIONと既存のレンズを組み合わせることで、厚さ約3.5mm、解像度10Mピクセル以上のカメラ開発につなげたい考えだ。
facetVISIONは各レンズが把握した周囲の状況を“脳”に当たる装置で処理して1枚の写真に仕上げる。現在の解像度は1Mピクセルほどだが、将来的には、ロボットや自動車生産などに使われる産業用カメラよりも高解像度になり、最大4Mピクセルになるという。
facetVISIONのレンズは半導体の生産と同様にウエハ上で製造して切り分けていく。そのような生産プロセスになることから、製造コストを抑えられ、大量生産が可能だという。
実用化した際の用途としては、血液検査用の光学センサ、設備稼働中の印刷イメージのチェック、自動車の駐車支援用カメラ、産業ロボットの衝突回避用カメラなどへの適用が考えられている。