白-黒だったレーザー溶着を、黒一色で加工可能にするブラックタイプのレーザー光透過材

パナソニック オートモーティブ&インダストリアル システムズ社は2017年3月30日、レーザー溶着対応ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂成形材料の透過材に、ブラックタイプ「MBS230H93L」を追加したと発表した。レーザー溶着に使う透過材は、白色かナチュラル色が主流。黒色の透過材を加えることで、製品デザインの幅が広がるとうたっている。サンプル対応は2017年4月の予定だ。

レーザー溶着では、レーザー光を吸収する材料の上に透過材を置き、レーザーを照射。吸収材を発熱させて透過材と溶着させる。吸収材の色は吸収効率の高い黒色が用いられ、透過材の色は透過率の高い白色やナチュラル色が一般的。レーザー溶着で加工すると、溶着した個所に白―黒の色が残ってしまっていた。

MBS230H93Lは独自の樹脂設計技術と調色技術により、ブラックタイプでありながらレーザー光透過率は70%以上。MBS230H93Lを使うことで、黒一色でのレーザー溶着が可能となる。

またMBS230H93Lの透過率は、同社のナチュラル色やブラウン色の透過材の透過率72%と比べてもほぼ同水準のため、低エネルギーでの高速溶着が可能。作業時間の短縮につながるとしている。

さらに、ガラス繊維をランダム配向させる独自の材料改質技術により、射出成型方法でも成形品の反りを従来の4分の1以下に抑えられる。これにより、一般的なPBT材よりも均一・高強度で溶着できる。

85℃・湿度85%の環境で1000時間処理した後でも初期の80%以上の引張強度を維持。初期の50%程度の引張強度しか維持できなかった従来品と比べて、耐加水分解性能も高くなっていると説明している。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る