- 2021-1-15
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- シュレーダー, シュレーダーの階段図形, 世界錯覚コンテスト2020(Best Illusion of the Year Contest 2020), 明治大学研究・知財機構先端数理科学インスティテュート(MIMS), 杉原厚吉, 立体版シュレーダー階段図形
明治大学研究・知財機構先端数理科学インスティテュート(MIMS)の杉原厚吉研究特別教授が制作した錯覚研究作品「立体版シュレーダー階段図形」が、「世界錯覚コンテスト2020(Best Illusion of the Year Contest 2020)」で優勝した。
「シュレーダーの階段図形」は、ドイツの自然科学者シュレーダー氏が1858年に発表した絵だ。「階段を斜め上から見下ろしたところ」と「階段を斜め下から見上げたところ」という2つの解釈が可能となっている。この2つ目の解釈は、図を上下反転させてみると素直に知覚できる。このように複数の解釈を持つ図形は多義図形と呼ばれ、シュレーダーの階段図形は代表的なものだ。
今回優勝した立体作品は、このシュレーダー階段図形に立体の手すりと支柱を付けたもので、元の図形とは違う多義性が生まれるという。
立体版の2つの解釈は、どちらも上から階段を見下ろしたところとなっている。そして、同じ姿勢の立体を見ていただけでは1つの解釈しかできないが、第2の解釈は反対側から見ると生まれる。後ろに鏡を立てても見ることが可能だ。鏡を使う代わりに、立体を垂直な軸の周りで180度回転して見せているのが今回の動画作品だ。
動画では、初めは赤い三角コーンのような置物を階段の一番上の段に置いており、その段から階段が下がっているように見える。しかし、立体をくるりと180度回転させるだけで、赤い置物を置いてある段が階段の一番下にあるように見えるようになり、赤い置物の段から階段が上がっているように見える。鏡を使った画像でも、鏡に映っている作品と実際の立体作品では階段の向きが逆転して見える。
杉原研究特別教授は、今回の作品を、立体の絵と本当の立体とを混在させると絵の部分も立体と見てしまうという脳の振る舞いを調べる実験材料として作ったという。同コンテストで杉原研究特別教授は通算4回優勝しており、他に準優勝も2回経験している。
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