富士キメラ総研、添加剤/フィラーとその複合材料の市場調査結果を発表

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添加剤・フィラー、複合材料の世界市場

富士キメラ総研は、樹脂に添加して特性の改善や機能付与する添加剤やフィラー、及びそれらを利用した複合材料の世界市場を調査し、その結果を報告書「2017年 高機能添加剤・ハイブリッドマテリアルの現状と将来展望」にまとめた。添加剤/フィラー43品目(うち世界市場集計対象38品目)、複合材料7品目の市場を調査/分析し、そのトレンドや応用事例などを把握している。調査実施は2017年4月〜6月。

調査結果によると、添加剤/フィラー、複合材料の2016年の世界市場の規模は、添加剤/フィラーが2兆8481億円、複合材料が1兆313億円。世界的な経済成長とともに、金属代替などを目的とした樹脂の高機能化が特に自動車分野で顕著なため市場は順調に拡大し、2020年には添加剤/フィラーが2016年比22.8%増の3兆4977億円、複合材料が同21.0%増の1兆2482億円になると予測している。

一方国内市場は、最終製品市場の成熟により添加剤/フィラーは微増にとどまる見通し。複合材料はFRP(Fiber-Reinforced Plastics)関連製品の需要が好調であり、年率2~3%程度の拡大が予測されるとしている。

また、添加剤/フィラーが付与する機能やその採用目的に応じ、機械的改善、電気的機能、熱的機能、耐候/光的機能、架橋/重合、その他にカテゴリー分類して分析すると、世界市場では強度や剛性、耐衝撃性などを向上させる機械的改善の需要が大きく、成長性も高い。特にガラス繊維、炭素繊維(PAN系)、α―オレフィンコポリマーが市場をけん引するとみている。国内市場でも世界市場と同様に機械的改善カテゴリーの需要伸長が予想される。要因としてPAN系の適用拡大とセルロースナノファイバーの採用本格化を挙げている。

注目される市場として、添加剤/フィラーのうちセルロースナノファイバーを挙げている。植物の細胞壁を構成するセルロースから精製したナノレベルの繊維で、環境性に優れ、結晶性が高く、鉄鋼の5倍以上の強度と5分の1の軽量性などの特性から応用開発が進んでいる。2015年に紙おむつ向けやボールペンのインク向けに実用化されたが、2016年の市場規模は4億円、パウダーベースで8トンにとどまっている。親水性や凝集性などから溶剤系の塗料/コート剤や樹脂への均一分散は技術的なハードルが高いが、2016年より疎水化セルロースナノファイバーや複合樹脂の研究/開発、サンプル出荷が活発化している。このため2020年の市場規模は10倍の40億円となると予想している。

また、同じく添加剤/フィラーのグラフェンにも注目。グラフェンは、樹脂に少量添加することで強度や弾性を大きく向上させることができる。帯電防止性、放熱性などの機能付与等も可能だ。2015年にグラフェンプラットフォームが大量生産技術を確立し、市場が本格化しつつある。スポーツ用品や包装用品などで使われる樹脂/エラストマーや塗料/潤滑油への添加用途が先行し、将来的にはLiB用の導電助剤や電極での採用も予想される。特に車載用LiBではグラフェンの採用により、航続距離の大幅な伸長や自動運転技術の向上につながるとされ、需要増が期待される。2016年の市場規模は9億円だが、2020年には4.8倍の43億円と予測している。

複合材料では長繊維コンパウンドに注目している。充填する強化繊維の繊維長をできる限り残して混練した樹脂コンパウンド(ペレット)で、主に熱可塑性樹脂をベースとする。添加されるのはガラス繊維が主で、金属繊維、炭素繊維なども研究開発が行われている。耐衝撃性と強度/剛性を両立できるのがメリットで、金属代替材料として採用が増加している。市場はPPベースのガラス長繊維強化品の需要が大半で、主に欧米の自動車メーカーがフロントエンドモジュールやバックドアモジュールなど、自動車部品の金属代替材料として採用している。今後も部品のモジュール化や樹脂化は進むとみられることから、市場は年率10%程度の成長か?予測されるとし、2016年の実績820億円に対し2020年には1248億円の規模となると予測する。

複合材料では他に、熱電変換材料にも注目している。熱電変換材料は、熱電発電において熱と電力の変換に用いる熱電変換素子に使われる材料で、主にアウトドア向け発電器具やストーブのファン稼働電源などで実用化されている。需要先は日本や欧米が主で、中国やロシアも実績がある。欧州ではMicropeltによるセンサー用途もある。当面、民生用途が中心だが、2020年から工業用排熱発電向けの実用化が期待され、国内外とも需要が大きく増加するとみている。2016年の実績は4億円だが、2020年には7億円と予想している。

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