NEDOと産総研など、ガラスやシリコーンの基本構造を解明

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2017年7月27日、NEDO、産業技術総合研究所、日本原子力研究開発機構、J-PARCセンター、総合科学研究機構の5者が、ガラスやシリコーンの基本構造を解明したと発表した。今回の研究結果により、高機能で高性能なケイ素材料の製造が期待できるという。

シリコーンや機能性シロキサン化合物などの有機ケイ素材料は、シャンプーや化粧品、コンタクトレンズなどの日用品から、低燃費エコタイヤやLED電球、太陽電池モジュールなどの高機能な製品まで、さまざまな場面で使用されている。

最近では、電子機器の小型化やLEDの高輝度化などに伴い、より高機能で高性能な有機ケイ素材料の開発が望まれてきた。これを達成するために、ガラスなどの無機ケイ素化合物や、シリコーンなどの有機ケイ素化合物の基本単位であるオルトケイ酸の分子構造の解明が求められてきたが、この物質の研究が始まった19世紀から今日まで、その詳細な分子構造は解明されていなかった。

今回の研究開発では、有機化学的手法を無機化合物のオルトケイ酸の合成に応用することによって、不安定なオルトケイ酸を安定的に合成し、その構造解析に成功した。この合成と基本構造の解明によって、基本単位から構造が制御されたシリコーンの合成が可能になるとしている。

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