芝浦工業大学は2017年11月7日、東日製作所と共同で、締め付け後のねじの締め付け力を測定できる「軸力計測レンチ」を開発したと発表した。
従来、ボルト、ナットなどの締め付け後のねじの締り具合の確認は、ハンマーなどによる打音検査が主に行われてきたが、打音検査では具体的な締め付け力を測定することができなかった。
今回開発した軸力計測レンチは、事前の校正を行わなくても市販のボルトの軸力の計測ができる工具だ。
ねじを固定するナット上面を軸力計測レンチの外周部で押さえ、飛び出しているボルトやねじの先端部を軸力計測レンチ内部のめねじで引っ張ることで締め付け軸力を測定する。
ボルト座面の直角度を修正したボルトを用いてボルト、ナット締結体の締め付け軸力を計測したところ、ばらつき±5%以下で正確な計測が可能であった。
同レンチは先端部分が取替可能でさまざまな径のボルトに対応。自動車や鉄道、航空機などの乗り物や機械をはじめ、建築物の保守などの多くのメンテナンス作業での活用が期待できるという。