- 2018-1-26
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- Dynamic Neural Advection(DNA), Sergey Levine, Vestri, Visual foresight手法, Visual foresight(視覚的予見), カリフォルニア大学バークレー校
カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、自己の行動が起こす結果を予測することができる学習機能を備えたロボットを開発した。将来的に、自動運転車の路上での事故回避や、インテリジェントロボットによる介護などへの応用が期待される。研究成果についての発表とデモンストレーションが、2017年12月5日にロングビーチで開催されたニューラル情報処理システムの学会で行われた。
研究チームによってプログラムされたロボット「Vestri」は、Visual foresight(視覚的予見)と呼ばれる技術を使い、特定の動きのシーケンスを実行したときに自分のカメラが認識する出来事を予測する。幼児が、物体に触れてその操作を理解するように、このロボットは、人間の助けや物体に関する一切の事前知識を与えられることなく、ゼロベースかつ単独で物体の操作に関する学習を完了することができる。
このシステムの中心には、Dynamic Neural Advection(DNA)と呼ばれるディープラーニング技術が使われている。これにより、ロボットはその行動によって、画像内の各ピクセルがフレーム間でどのように移動するかを予測する。モデルの改良により、例えば障害物を避けておもちゃを移動させたり、複数の物体を再配置するなど、より複雑な任務が可能になる。
研究チームにとって大きなハードルのひとつは、ロボットが失敗に上手に対処する方法を開発することだという。現状のプログラムでは予測範囲を超える状況に直面すると停止してしまうが、新しいことをどうしても学びたいという幼児のような「意地」をプログラミングする必要があるとしている。
研究チームを指導する電気工学コンピュータ科学科のSergey Levine助教授は、「私たちが自らの行動によって周囲の物体がどのように動くか想像できるのと同じように、Visual foresight手法によって、ロボットは複雑な実世界において、極めて柔軟に対応できる技能を学習し取得することができる」と説明している。