- 2018-2-8
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マッキンゼーグローバル研究所が2016年10月、フリーランスについての調査レポートを発表した。調査によると、EUとアメリカでは労働人口の20~30%に当たる約1億6200万人が既にフレキシブルな働き方を実践し、そのうちの44%がフリーランスでの収入が主要収入源であるという。
同研究所は、フリーランスを4つのカテゴリーに分類。分類方法は「フリーの仕事による収入源が生計の主であるか、副であるか」「フリーの仕事の選択する意思が自発的か、必要に迫られたものか」だ。
具体的には、1)積極的にフリーの仕事を選択し、それが主要な収入となっている者(フリーエージェント:約4900万人/30%)、2)好きでフリーの仕事を始めて補助的な収入となっている者(カジュアルアーナー:約6400万人/40%)、 3)必要に迫られてやっているフリーな仕事が主要な収入となっているが、実は正規雇用を望む消極的なフリーランス(リラクタント:約2300万人/14%)、4)少しでも副業で稼ぐ必要があり、否応なくフリーの仕事をする財政難にある者(ファイナンシャリーストラップド:約2600万人/16%)だ。
フリーランスが増えるのは、なぜ?
ランサーズは「フリーランス実態調査2017年版」で、広義のフリーランスは日本に推計1122万人いると報告している。欧米ほどではないにせよ、日本でもフリーランスの割合は増えてきているそうだが、どんな理由があるのだろうか。
Adecco Groupがフリーランスという働き方について考察したレポートを参照すると、フリーランスという働き方を選ぶ人々の傾向が見えてくる。
同レポートから、まずは雇用側の理由をみてみよう。フリーランスという雇用形態であれば、自社にとって必要なスキルを持った人材を適材適所で登用することができる。フリーランスの9割がシニア層のプロフェッショナルだという。高学歴、高度な専門知識を持ち、またやる気にもあふれている。会社にとっては、フリーランスを活用することによって、マネージメントや高度な知識を持った即戦力となるシニア層の力を借りることができる。
一方、労働者の視点から見ると、フリーランスという雇用形態はライフスタイルに合わせて選択したものであるという。世代によってその理由に違いがみられ、ミレニアル世代はフリーランスを正規雇用への足掛かりと考えている傾向があり、シニア世代では仕事のモチベーションに重きを置いてフリーランスという生き方を選ぶ傾向があるようだ。
フリーランスの労働者は高いモチベーションを持って業務に取り組むが、その分、常にキャリアアップやワークライフバランスが重要で、1つの職にとどまる期間は平均で1年だという。
そのため、フリーランスは多くの職業分野での経験を持っている。そのような経験豊富なフリーランスを企業が活用することによって、企業にとっても新しいビジネスチャンスをつかめるのかもしれない。
関連リンク
Independent work: Choice, necessity, and the gig economy
Flexible Working – A career and lifestyle pathway
ランサーズ、「フリーランス実態調査2017年版」を発表