フランスの自動車メーカーBugattiは2018年1月、3Dプリンターを使って製造したチタン製ブレーキキャリパーを披露した。同部品の量産化に向けた車両試験を、2018年上半期にも開始する計画だ。
同部品のサイズは、3Dプリンターで製造したチタン製機能部品としては世界最大とうたう410×210×136mm。重さは2.9kgとなる。現在、主に用いられているアルミを使って製造すると4.9kgであり、40%ほど軽量化したことになる。
さらにチタン製ブレーキキャリパーの引張強度は1250N/mm2にも達する。アルミ合金の中でも、航空機やレーシングカーなどに使われる超々ジュラルミンの引張強度の代表値は、おおむね600前後となることから、2倍以上の引張強度を誇ることになる。
チタンは軽量・高強度ではあるものの、高価で難加工の材料だ。BugattiはドイツのLaser Zentrum Nordと共同研究を進め、最高性能クラスの3Dプリンターを使用して、ブレーキキャリパーを製造する手法を編み出した。
同部品を3Dプリンターで製造するのにかかる所要時間は、延べ45時間に及ぶ。4基のレーザーで初期温度700℃にまで加熱してチタン粉末を融かし、2213ものレイヤーを形成。このブレーキキャリパーを形作った。