高い導電性と柔軟性を備えたMXeneコーティング――ウェアラブルデバイスの耐久性向上に有用な技術

MXene多層コーティングの構造 (A) (B) (C) (D) 多層コーティングの構造 (E) (F) (G) (H) 多層コーティングの評価

テキサスA&M大学工学部の研究チームが、引張りや曲げ変形を加えても導電性を維持できる、耐久性の高い導電性コーティング技術を開発した。2次元ナノ材料であるMXeneと高分子電解質を交互に吸着して積層することにより、高い導電性と機械的な柔軟性を両立させることに成功した。研究成果は、2018年3月9日の『Science Advance』誌に公開されている。

ウェアラブルデバイスや生体認証等の先端技術の開発には、柔軟なエレクトロニクス材料が必要であるが、導電性を維持しながら、引張や曲げ、捩り等、様々な変形に耐える材料を見出すことは容易ではない。また、使用する際には、布や繊維、ガラス、プラスチック等の素材に埋め込む必要がある。

Jodie Lutkenhaus准教授が指導する研究チームは、このような課題を解決するため、2次元ナノ材料MXeneに注目した。MXeneは、Mn+1Xn(M:前周期遷移金属、X:炭素または窒素、n=1~3)という組成式で表される遷移金属と軽元素による複合原子層化合物で、金属伝導や電極活性を示すことが知られている。一例として、近年米ドレクセル大学で開発されたTi3C2は原子5個分の厚さを持つナノシートであり、淡水化技術や触媒等への応用が期待されている。しかし、MXeneのシートは高い導電性を有するものの、機械的な変形に弱いため、これまでコーティングへの応用は検討されていなかった。

そこで研究チームは、水溶液積層プロセスを活用し、マイナスに帯電したTi3C2層と、プラスに帯電した高分子電解質PDAC(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド)層を交互に吸着させることにより、数10層からなるコーティング層を作成した。その結果、このコーティング層は、2000S/mに達する高い導電性を維持しながら、曲げ半径2.5mmの曲げや40%の引張伸びなど大きな機械的変形にも耐える柔軟性を備えていることがわかった。またこのコーティング層を、柔軟な高分子シートや伸縮性のあるシリコーン、ナイロン繊維、ガラス、シリコン結晶等の上に定着させることにも成功した。

研究チームは、この導電性コーティングを柔軟なエレクトロニクス・デバイスの広範な用途に扉を開くものだとしている。

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Surface-agnostic highly stretchable and bendable conductive MXene multilayers

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