分子に”触れる”とどうなるか?――力場中の単一分子の振動エネルギーを解明 金沢大など

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走査型プローブ顕微鏡の金属探針先端(上)と銅の単結晶の上で振動する一酸化炭素分子の様子(下)

金沢大学などによる研究グループは2018年4月25日、走査型プローブ顕微鏡の金属探針先端が表面上に吸着した1つの分子に及ぼす力と、力を受けた分子の振動エネルギーの関係を解明したと発表した。

表面に吸着した分子は表面上で振動している。その振動エネルギーは、分子と表面との間の相互作用に依存し、その相互作用を理解することは、触媒反応などの重要な過程の理解に役立つ。表面に吸着した単一分子の振動エネルギーは、走査型トンネル顕微鏡(走査型プローブ顕微鏡のひとつ)を用いて、金属探針と分子が吸着する表面との間の電圧を変えながら、分子を流れる電流を計測することで測定できる。しかし、測定のために探針を分子に近づけると分子の振動エネルギーが変化することが報告されていた。

今回の研究では、探針と分子との間に働く力を、力センサーを使った原子間力顕微鏡を用いて測定した。その後、分子の振動エネルギーを走査型トンネル顕微鏡を用いて測定し、両者の関係を調べた。その結果、分子に大きな力を及ぼす探針は、分子の振動エネルギーに大きな影響を及ぼすことが判明した。

さらに、分子の振動を二重振り子の振動のように考える古典力学的なモデルを用いて実験結果を解析した。このモデルに、測定によって得られた探針からの力の影響を加え、さらに、探針からの力により、分子内の結合や分子と表面との結合が弱められるという効果を含めることで、実験結果を精密に再現できることが分かった。

今回の研究で示した手法は、分子と表面との相互作用や、探針と分子との相互作用に対する理解を深めるもので、今後、より複雑な構造を持つ応用上重要な分子への適応が期待される。

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