業界初、アスファルト直下にも使用可能――帝人と秩父ケミカル、耐熱性と耐久性に優れた透水性舗装部材を開発

帝人と秩父ケミカルは2018年6月7日、施工性と貯水浸透能力の高さに加え、アスファルト直下にも施工できる耐熱性と耐久性に優れた透水性舗装部材「透水セル(仮称)」を共同開発したと発表した。同部材は既に、雨水貯留浸透技術協会が一定の性能や品質を有する製品に対して発行する「雨水貯留浸透製品評価認定書」を取得している。

近年、集中豪雨により都市部を中心に浸水被害が増加しており、これに対し雨水貯留槽などの雨水浸透施設を地中に埋め込む対策がなされている。しかし既存の雨水浸透施設は、設置に必要な空間を確保するため一般的に施工深度が深く、地下水位の低い地域にしか適用できなかった。そのため地下水位の高い地域や深く掘削できない場所にも適用でき、アスファルト施工にも対応できる透水性舗装部材が求められていた。こうした中で帝人が培ってきた樹脂コンパウンドや加工のノウハウ、構造解析技術と秩父ケミカルの雨水貯留浸透施設に関するノウハウを融合することで、アスファルト施工に耐え得る耐熱性と耐久性に優れた部材の開発に成功した。

今回開発した透水セルは、帝人独自のコンパウンド技術を駆使することで約150℃の耐熱性を実現しており、アスファルト舗装への適用が可能となった。さらに高い耐圧縮強度とクリープ強度も有しており、耐久性も備えている。構造解析技術を駆使した独自の設計により、高い強度を保ちつつ空隙率を87%にまで高めたことで、優れた雨水貯留浸透性能と導水性能を備えた。

また、製品の側面に開口部を設けたことにより、雨水を土壌へ浸透させるだけでなく側溝や雨水貯留槽へと誘導する機能も有している。施工時に深く掘削する必要がないため施工が簡単で、地下水位の高い地域にも適用可能だ。

今後、秩父ケミカルは同部材を駐車場や歩道などに向けて幅広く展開し、数年以内に年間5万m2
の販売を目指す。

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