夜間で250m先の物体を検知――パナソニック、APDを用いたTOF方式長距離画像センサーを開発

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夜間にTOF方式距離画像センサで取得した三次元距離画像

パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は2018年6月19日、視認性が悪い夜間においても250m先にある物体までの距離情報を画像化する、アバランシェフォトダイオード(APD)画素を用いたTime of Flight(TOF)方式距離画像センサーを開発したと発表した。

同センサーは、APD画素化技術と長距離計測画像化技術の、2つの新技術を用いて開発された。

従来のイメージセンサーでは、画素に入った1光子(光のエネルギーの最小単位)は1電子にしか変換されない。そのため、1光子程度の微弱な信号光に対してはノイズに弱いという問題がある。そこで同社は、1光子を1万個の電子に増倍する増倍領域を設けつつ、光電変換領域と信号蓄積領域が同じ平面積になるように倍増領域を積層化することで、増倍機能を持ちながら微細な画素が可能となるAPD画素化技術を開発。これにより、25万画素の高解像と信号増幅1万倍の高感度を併せ持つセンサーを開発した。

従来のイメージセンサとAPDイメージセンサの受光部構造比較図

画素内信号増倍の有無の撮像比較図

距離をTOF方式で計測する場合、光源から発した光が物体に当たって反射して戻ってくるまでの飛行時間を計測し、距離を算出する。しかし、250m先からの反射光は1光子が届くか届かないかというほど微弱だ。同社は、光子の到達回数を数える独自の積算回路を全APD画素に内蔵。1光子の微弱信号であっても確実に捉えることができる微弱光積算技術を開発した。これにより、夜間の遠方でも、人や小さな物体の位置や形状が判別可能な距離画像を取得できる。

微弱光積算技術による微弱光の高密度化の説明図

さらに、最短10ナノ秒の短パルス光と同期して、センサーに内蔵する10ナノ秒の高速シャッターを駆動する短パルスTOF方式も開発した。短パルスで時間分割することで、近距離から遠距離まで幅広いレンジの画像を一括に取得できる。

APD-TOFセンサによる、短パルス用いた距離毎の画像取得の説明図

ステレオカメラなど従来のカメラは、夜間の認識精度が低下してしまう。また、赤外線を用いたLiDARは夜間も使用できるが、解像度が低いために小物体の特定が困難になり、検知漏れが発生するという欠点がある。

今回開発したセンサーは、夜間でも高解像度で長距離までの3次元距離画像が一括で取得できるため、車載用距離測定や暗闇での広域監視等への利用が期待されている。

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