産総研、人間と同じ重労働が可能な人間型ロボット試作機「HRP-5P」を開発――建築現場などで実用化を目指す

産業技術総合研究所(産総研)は2018年9月27日、人間の重労働作業や危険な環境での作業を自律的に代替することを目指した人間型ロボットの試作機「HRP-5P」を開発したと発表した。

産総研は、これまで複数の民間企業と協力してヒューマノイドロボットのHRPシリーズを開発し、実用化に向けた基盤技術の開発に取り組んできた。HRP-5PはHRPシリーズの開発技術を継承しながら最新のハードウェア技術を活用した身長182cm、体重101kgの人間型ロボットで、HRPシリーズ最高の身体能力を備える。より人間に近い動作が可能で、石膏ボード(1820×910×10mm、約11kg)やコンパネ(合板)(1800×900×12mm、約13kg)のような、畳大の重量物をハンドリングできる。

これに環境計測/物体認識技術、全身動作計画/制御技術、タスク記述/実行管理技術、高信頼システム化技術からなるロボット知能を搭載することで、ロボット単体で石膏ボード施工の自律的な遂行を実現した。

具体的には、①周辺環境の3次元地図生成と物体検出を行い、作業台に近づく②作業台に寄りかかりながら平積みされた石膏ボードを1枚ずらし、持ち上げる③周辺環境を認識しながら石膏ボードを壁まで搬送する④石膏ボードを降ろし、壁に立てかける⑤高精度ARマーカーを用いて工具を認識し、拾い上げる⑥胴縁を握って安定性を確保しながら壁に石膏ボードをビスで固定する、という一連の動作を自律的に遂行できる。

産総研は、10月17日から21日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「World Robot Expo 2018」にてHRP-5Pの静態展示を行う。



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