東北大ら、プラズマ推進機を用いたスペースデブリ除去法の原理実証に成功――デブリ除去衛星に必要な全ての動作モードが1台の推進機で実現可能

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東北大学とオーストラリア国立大学の研究グループは2018年9月27日、同グループがこれまでに開発を進めてきた無電極プラズマ推進機(ヘリコンプラズマスラスタ)を用いて、1台の推進機のみを用いた宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去法の室内原理実証実験に成功したと発表した。

地球周回軌道上には、人類が宇宙開発を開始してから50年以上にわたって宇宙空間に放出してきた宇宙機や部品が、多数のスペースデブリとなって周回している。これらのスペースデブリは年々増え続けるとともに7km/sを超える高速で運動しているため、人工衛星や宇宙ステーションに衝突した場合に甚大な被害をもたらす危険性が示唆されている。そのため、スペースデブリを地球周回軌道から除去する技術の早急な開発が必要になっている。

プラズマ流をデブリへ照射し減速させることで周回高度を下げ、最終的に大気圏に突入させることでデブリが燃焼し除去が可能になると期待されるが、プラズマ流をデブリに向けて噴射した場合には、推進機はデブリとは逆方向に加速されるため、デブリとの距離を一定に保つことが不可能になる。また、これまでに提案されてきたイオンエンジンを用いた手法では、エンジンを2台搭載する必要があり、また重さ数トンのデブリを除去するためには、数kW級の大電力推進機を搭載する必要があり、耐久性の改善などが必要となる。

今回実証された手法では、長寿命/大電力プラズマ推進機として期待される無電極プラズマ推進機からの双方向プラズマ放出を実現/制御することで、1台の推進機でデブリ除去動作が可能なことを実証した。室内実験において、推進機に働く推力とデブリを模擬した物体に加わる力を同時に計測し、推力がゼロの状態を維持しながらデブリ減速が可能であることを示した。また、外部磁場配位や燃料導入法によって推進機の加速や減速が可能なことも同時に実証し、デブリ除去衛星に必要な加速/減速/デブリ除去の全ての動作モードが実現可能なことを明らかにした。

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