300~450℃でも高耐久な銀焼成膜付DBA基板、三菱マテリアルが開発――熱電発電モジュール用途を想定

銀焼成膜付DBA基板

三菱マテリアルは2018年10月3日、300~450℃の大気中でも使用できる銀焼成膜付DBA(Direct Bonded Aluminum:アルミ回路付き高放熱セラミックス絶縁)基板を開発したと発表した。

セラミックス上に銅回路や銀回路を形成した基板を使ってモジュールを作り、モジュールの上下に温度差を生み出すと電力を得られる。こうした熱電発電モジュールを活用することで、自動車や工場などの排熱を電力として再利用できるようになると期待されている。しかし、300~400℃で熱電発電モジュールを使用すると、回路金属の酸化や、基板や熱電変換素子のクラックによる破損の恐れがある。その結果、熱電発電モジュールの内部抵抗が増加し、出力が低下するという課題があった。

そこで三菱マテリアルは、DBA基板のアルミニウム回路上に、接合力の強い厚膜化した銀焼成膜を形成。回路金属の酸化やクラックによる破損を抑え、高温環境下で連続使用した場合でも発電量の減少を微小にとどめられるようにした。

銀焼成膜付DBA基板を用いた熱電発電モジュール

また、銀の厚膜回路の最表面に純銀を使用することで、半導体素子の電極表面が銀や金なら、固相拡散によって接合材を使わずに直接接合できるようにした。直接接合することでモジュールの内部抵抗の上昇を抑え、450℃の高温下でも耐久性を高めている。

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