村田製作所は2018年10月15日、同社のコイン形リチウム電池のラインナップに「大電流タイプ」と「準耐熱タイプ」を新たに追加したと発表した。
リチウム電池は従来のバックアップ用途から、主電源としてさまざまな用途向けに需要が広がっている。このような需要に応えるために、従来の「標準タイプ」および「耐熱タイプ」に加えて、大電流タイプと準耐熱タイプを追加した。
大電流タイプは、最大パルス放電電流が従来の30mAから50mAになり、ピーク電流の高い「LoRa」、「Sigfox」などのLPWA通信機器にも使用可能となった。また、放電時間が従来の約3倍となり、電池交換頻度が少なくて済むようにもなった。上記のLPWA方式の物流、資産管理用のトラッキングデバイスや、屋外インフラ、FA制御機器、環境監視センサーなどでの利用を想定している。
準耐熱タイプは、使用温度範囲を-30~70℃(標準タイプ)から-40~85℃まで拡大し、電子部品やICへも対応できるようにした。耐熱タイプ(使用温度範囲-40~125℃)よりも安価な価格設定としたことで、性能、コストのバランスに優れる。また、準耐熱タイプの最大容量モデルは、コイン形リチウム電池では最大容量となる。車載デバイスやスマートメーターなどの屋外IoT機器での利用を想定している。
容量別に大電流タイプは2モデル、準耐熱タイプは4タイプラインナップされている。発表同日よりサンプル出荷を開始し、2019年1月から量産品出荷の予定だ。
同製品は、幕張メッセで2018年10月16日から19日まで開催される「CEATEC JAPAN 2018」、および2018年10月24日から26日まで開催される「IoT/M2M展【秋】」に出展される予定だ。