- 2018-10-23
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- BtoB, BtoC, インダストリー4.0, コンシューマー, システムインテグレーター, スマートファクトリー, スマートホーム, メイテックネクスト, ロボットSIer, 工場自動化(FA:ファクトリーオートメーション)
~ 工場自動化(FA)の最新事情をエンジニアリングの分野別に考える ~
本記事は、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストのキャリアコンサルタント筧 隆志氏への取材を通じて、工場自動化(FA:ファクトリーオートメーション)の最新事情をお伝えしていく連載記事です。
今回は、電気・制御系エンジニアを求める自動化マーケットについて、その将来の動向についてお話を伺います。(執筆:中嶋嘉祐)
――以前電気系・ソフトウェア系の求人の8割程度は自動化に向けられているとお聞きしました。今後10年20年というタイムスパンでみたとき、自動化のマーケットはどのように動いていくとお考えでしょうか?
[メイテックネクスト 筧氏]まず、大切なことですが、インダストリー4.0時代のスマートファクトリーを考えれば、ほとんどの製造業が工場自動化を目指していくことになります。生産ラインを自動化するためには、産業用ロボット単体ではなく、工場全体の自動化、例えばマシンビジョン用センサーから既存の基幹システムとの接続までを考える必要があります。そのため求人の中心となる職種としては、システムインテグレーター、いわゆるロボットSIerになりますが、将来的には生産工場以外の領域でも求人は増えると予想しています。
これを踏まえた上で、私は家電メーカーが工場自動化に対して本格的に参入してくると考えています。家電メーカーといっても、実際にはBtoCよりもBtoBの売り上げが多くなっています。これには従来のコンシューマー向け家電の売り上げから、自動化に関連する売り上げへとシフトしている実態があります。
家電メーカーは、これまでコンシューマー向けに培った使い易さや分かり易さといった特徴を、自社が提供する産業用機器・システムへと落とし込んでいるわけです。そして将来的には、この自動化に関連した技術が再びコンシューマーに戻ってくるとみています。
工場自動化を実現する技術がコンシューマー製品にフィードバックされる
――工場自動化を実現する技術が、次世代の家電製品へとフィードバックされるというイメージでしょうか?
[筧氏]生産工場というと大規模なシステムをイメージしがちで分かりにくいかもしれませんが、例えばコンビニエンスストアやファストフード店に入っている全自動調理器具を考えてください。今ではフライヤーなどもボタンを押すだけで全自動で二度揚げできるものもありますし、店舗にロボットアームを導入して調理や洗い場で活用している例もあります。飲食業界では慢性的な人手不足を解消するため、どんどん自動化、ロボット化が進んできています。
大手家電メーカーは、これまで家電で培った技術を使って、産業用や医療用などさまざまな用途のロボットを作り、それをインテグレートしたBtoBシステムの売り上げを伸ばしています。今まで自社が積み上げた技術自体を産業用に転換することを目指しているわけですが、次のフェーズでは産業用として実現した技術を使ったシステムを一般の市場に投入していく、再びコンシューマーに原点回帰するとみています。
つまり、工場の自動化が、飲食店の自動化につながり、さらに一般家庭のキッチンを自動化する家電製品につながる。産業用ロボットも、量産技術によるコスト低減・改良が加えられ、将来は家庭用コミュニケーションロボットや介護ロボット、今よりも数段進化したスマートホームへとつながっていくと考えています。自動化の実現に欠かせないロボットSIerを中心に、自動化マーケットは産業用途からコンシューマー向けへと拡大していくと思います。
筧 隆志(メイテックネクスト 電気・電子・半導体分野 コンサルタント)
<メッセージ>
電気設計エンジニアの視点とグローバルな視点から、皆様と企業との最適なマッチングを実現したいと考えています。
短期的にだけでなく、長期的にも良かったと思えるような転職をして頂けるように、精一杯支援致します。