受刑者向けのWebデザインプログラム「Brave Behind Bars」が、再犯率の低下に貢献

Credits:Photo courtesy of the researchers.

米マサチューセッツ工科大学(MIT)と米マサチューセッツ大学ローウェル校のチームが、複数の矯正施設に収監されている人々を対象とした、Webプログラミングのコース「Brave Behind Bars」を設計し運用した。

同プログラムは、施設内での学習環境として「バーチャルクラスルームテクノロジー」を利用し、服役中の受講者にWebデザインの学習機会を提供する。受講者は、HTML、CSS、JavaScriptの基礎を学び、自ら選んだ社会問題に対処するためのWebサイトを作成した。

受講者が制作したサイトの例は、ホームレスが避難先のシェルターを見つけるための「End Homelessness Statewide」や、DV(家庭内暴力)に対する理解を深め、支援が必要な人々へのライフラインを提供する「No Excuse for Domestic Abuse」がある。

同プログラムは、実施に協力している3つの大学が認定している。2022年に実施した質的研究では、コース修了者34人のフィードバックは、スキルの獲得が自信やモチベーションにつながったといった内容が多かった。

2005年から2014年にかけて米国の刑務所や拘置所から出所した人々のうち、68%が3年以内に再逮捕され、9年以内にはその数が83%に上昇した。しかし、1980年から2017年の37年間にわたる研究のメタ分析によれば、中等教育修了後の教育プログラムに参加した受刑者は、刑務所に戻る可能性が28%低かった。

Brave Behind Barsは、個人のインターネットアクセスを向上させるだけでなく、受刑者が出所後の地域社会とつながり、関わるために必要な行動指針やWebデザインのスキルを提供する。この新しい教育モデルには、受講者の自己効力感を促進する効果が期待されている。

関連情報

Study demonstrates efficacy of MIT-led Brave Behind Bars program | MIT News | Massachusetts Institute of Technology

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