- 2018-11-8
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- AI, AIシミュレータ, AIシミュレータ基盤, Flexible Technical Computing Platform, FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA, ものづくりデジタルプレイス, ディープニューラルネットワーク, 人工知能, 富士通, 物理シミュレータ
富士通は2018年11月7日、物理シミュレータを高速/高精度なAIシミュレータに変換するAI技術/基盤を開発したと発表した。
AIシミュレータは、従来の物理シミュレータの入出力をAI(人工知能)に記憶させることで従来の数千倍の高速化を達成する技術で、開発期間短縮および試作費用削減など、製品開発をする上で重要な役割を果たしている。しかし、これまでのAIシミュレータは用途に応じて毎回作成する必要があり、その作成には莫大な時間と専門家の知見が必要だった。
そこで、富士通は今回、物性値、輻射、外部磁場といった幅広い範囲の物理特性を扱うことができるAIシミュレータ基盤を開発した。これにより、同一のディープニューラルネットワークを用いることができ、入出力操作を標準化した汎用の手順を用いることが可能になるという。
また、電子機器の冷却の設計と検証によく用いられ、複数の物性値、熱源、および輻射を扱う熱流体シミュレーションにAIシミュレータ基盤を適用した。結果、誤差を2%以内に抑えつつ、数千倍高速なAIシミュレータを生成できることを確認した。
この成果により、CAE(Computer Aided Engineering)、製品設計などの応用分野に適用することができるという。また2019年度中には、ものづくりデジタルプレイス「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA」の製品開発基盤「Flexible Technical Computing Platform」に、この技術で生成したAIシミュレータを活用していく予定だ。