芝浦工大、水素を検知するセンサーをフレキシブルな素材に低温環境で形成できる技術を開発

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芝浦工業大学は2018年11月20日、光エネルギーを利用することで、従来よりも低温環境で、水素を検知する薄膜を柔軟性がある素材に形成する技術を開発したと発表した。同技術は、水素ステーションや工場などで、大気中のわずかな水素濃度を検知するセンサーとして活用できる。また、貼付する場所や形状を選ばないフレキシブルセンサーとしてフレキシブルエレクトロニクスの分野における活用も期待される。

水素エネルギーは、二酸化炭素の排出を伴わないクリーンエネルギーとして燃料電池自動車や宇宙用途など広範な応用が注目されている。一方で、反応性が高いため、大気中の濃度が4%を超えると大爆発を起こす危険性がある。水素ガスの漏洩検知には、従来から半導体式センサーが用いられてきた。しかし、わずかな濃度の変化を選択的かつ簡便に検知できる方法が少ないことや、センサーを形成できる素材が限られていることなどが課題となっていた。

今回、芝浦工業大学応用化学科の大石知司教授は、光エネルギーとセンサー原料塗布膜を組み合わせることで、水素感応性薄膜を柔軟性のある素材上に簡便に形成する技術を開発した。まず、水素を選択的に検知する物質である酸化タングステンの原料となる溶液をつくり、基板となる有機フィルム上に印刷・塗布。そして、塗布した箇所に光を照射することで、厚さサブミクロンレベルの薄膜を低温においても形成できた。

光エネルギーを利用した低温形成が可能になったことで、通常は加熱処理により溶けてしまう有機フィルム上にもセンサーを形成できる。また今回の研究では、センサー構成を工夫して高性能化にも成功した。形成した薄膜は水素を検知すると濃度によって薄青色から濃青色に段階的に変化する。このため、目視でその変化を確認するだけでなく、定量的に検知することも可能だ。加えて、水素が無くなると元の無色透明に戻る可逆性も持ち、繰り返し利用できる。



水素燃料電池自動車の普及には水素スタンドが必要不可欠だが、爆発性が高く、低濃度の状態で水素を効率良く感知する技術が必要とされている。今回開発された技術を利用することで、安全な水素スタンドがより多くの場所に設置される一助となる。他にも、工場内の水素タンクや配管に貼付することで水素漏れを検知し、工場内の安全性を高めることへの利用なども考えられる。

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