高音質オーディオ機器向けの32ビットD/AコンバータICを発売――より幅広いオーディオ機器に対応 ローム

ロームは2021年12月21日、高音質オーディオ機器向けの32ビットD/AコンバータIC(以下、DACチップ)「BD34352EKV」を開発し、販売を開始したと発表した。

同社は、現在量産中のROHM Musical Device「MUS-IC」シリーズのフラッグシップモデル向けDACチップ「BD34301EKV」を2021年2月に発表した後、より幅広いオーディオ機器に向けた製品の要望に応えてハイエンドモデル向けDACチップBD34352EKVを開発した。SN比が126dB、THD+Nが−112dBとなったほか、電流セグメントで構成したD/A変換回路では、BD34301EKVの回路技術を用いながら新たに出力電流量を調整している。

また、微小信号でも忠実に処理できるようにデジタルフィルタ(FIRフィルタ)を設計したことで、デジタルフィルタの性能指標の一つである阻止帯域減衰量で−150dB以下を実現した。これらにより、力強く、自然でフラットな音を表現可能となった。

デジタルフィルタをプリセット、カスタム、外部設定の中から選択できるほか、フィルタの演算係数やオーバーサンプリングレートもプログラムでカスタマイズ可能。BD34301EKVとの端子互換仕様となっており、デジタルフィルタを独自に構成することで、オーディオ機器ごとに異なる音質チューニングを施すことができる。

サンプリング周波数はBD34301EKVと同じく32〜768kHzとなっている。パッケージも同じく64ピンのQFPを採用した。

1個あたり1500円(税別)のサンプル価格で、2021年9月よりサンプル出荷を開始している。2022年1月からは、当面の間月産2万個の体制で量産を開始する予定。国内製造子会社のローム浜松が前工程を、タイ製造子会社のROHM Integrated Systems (Thailand) が後工程を担う。

なお、評価ボードの「BD34352EKV-EVK-001」も併せて販売を開始した。コアスタッフオンラインやチップワンストップなどから購入可能となっている。

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