JAXA、今年度内の打ち上げ予定の衛星技術実証機について報告――人工流れ星衛星の実証など13テーマを選定

小型実証衛星1号機

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2018年12月19日、今年度内に打ち上げ予定の革新的衛星技術実証1号機に関する概要、目的、実証テーマなどを発表した。

小型実証衛星1号機(以下、1号機)は、イプシロンロケット4号機により、高度500kmの極軌道に投入し、約1年を目標として運用。7つの衛星を搭載し、3つの目的に沿った11機関の13テーマを実証する。

JAXAは、実証テーマの目的として、「競争力」「利用拡大(イノベーション)」「ビジネス創出」のいずれかを持つように各機関に求めた。競争力は衛星産業の国際競争力の獲得/強化を推進するため、利用拡大は宇宙利用拡大やイノベーション創出を図るため、ビジネス創出は宇宙産業のビジネス創出や人材育成促進を意図した。

競争力の向上を目的としたテーマとして、日本電気(NEC)は、耐宇宙環境性能を持つ宇宙用集積回路を開発した。同回路は、FPGAの動作に「原子スイッチ」を用いることで放射線によるエラーを100分の1以下に低減。加えて、電力は10分の1、サイズは3分の1を実現しており、衛星のシステム競争力向上への寄与が期待できるという。

一方、東北大学の国際理学観測衛星「RISESAT」を使用したテーマが、利用拡大とビジネス創出に合致するとして採用された。RISESATは高空間分解能スペクトル撮像技術を確立しており、新規地球環境計測及び農林水産鉱業市場の開拓と海外衛星利用市場の拡大を見込んでいる。

また、ALEが開発した人工流れ星衛星の実証機「ALEe」も、利用拡大とビジネス創出に貢献するとして採用された。ALEeは、時刻/場所を指定して流星源を衛星から放出し、大気圏に突入させることで流れ星を発生させることができるという。これにより、宇宙エンターテインメント市場を開拓。また、人工流れ星の発光を利用した高層大気の科学的分析も合わせて行うという。

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