マランゴニ対流を利用した新たな表面加工手法を開発――インクジェット描画を光であぶりだす 名古屋大

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

名古屋大学は2019年2月26日、インクジェットの描画どおりの形状にマランゴニ対流を発生させることで溝を形成する、新たな表面加工手法を開発したと発表した。

半導体製造に用いられるフォトリソグラフィーなどの表面形状加工では、フォトマスクなどで局所的にパターン露光した後、溶媒での現像を必要とする。

一方、流体の表面張力の小さい部分から大きい部分へ流体が流れることで発生するマランゴニ対流は、シリコン結晶の作成時に均一な結晶を得ることを難しくする問題として知られている。

研究グループは今回、このマランゴニ対流を利用することで、設計どおりに高分子膜を表面加工する方法を考案した。

開発した手法の表面加工プロセス

この方法で、光応答性の液晶高分子膜にインクジェットで描画。すると、印刷した場所で表面張力差が生じる。しかし、この状態では対流は起きず、紫外光を照射することで膜が軟化して対流が発生。インクジェットの描画どおりに溝ができる。なお、紫外光照射をやめれば動きも止まるため、マランゴニ効果の制御も可能だ。

マランゴニ流で溝が形成される様子。(A)塗布描画の模式図。(B)紫外光照射前。(C)紫外光照射20秒後

この成果は、工学的に有用な表面加工技術応用への道を拓くという。例えば、マイクロ流路はパターン露光と現像が必要なフォトリソグラフィーで作成されているが、この手法ではインクジェット描画するだけで溶媒現像が不要なため、自由な形状の流路を作成できると説明している。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

fabcross
meitec
next
ページ上部へ戻る