中国のカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチは2019年3月12日、同社のSmart Automotiveサービスによる最新市場調査の結果を発表した。同調査によると、全世界における車載イメージセンサーの需要は2023年までに倍増、出荷台数は年平均成長率19%で伸び、2023年には2.3億ユニットに達する見込みだという。
近年の新車を中心に後方用カメラが装着された車は存在するが、カメラは駐車時の視界確保に使う程度であることが多い。しかし、高い安全性や自律性をもつコネクテッド・カー開発に向けて、カメラの役割は変わりつつある。その中でも、ADAS(先進運転支援システム)では、カメラのイメージセンサーは最も重要なセンサーの1つだ。
同社アナリストによると、今後はADAS機能強化のために、前方や側方用カメラの装着率が高まっていくという。例えば、現在はハイエンド車種向けのオプション装備であるサラウンドビュー機能は、今後の5~6年で装着率が急増する見込みだ。この流れの背景には、1)政府が自動車メーカーに先進安全機能の搭載を求めている、2)消費者が先進安全機能を認知し、求めるようになったことなどが挙げられる。さらに、ADASのコスト低下により、自動車メーカーが自動非常ブレーキなどの機能を主力車種の標準搭載機能にする動きも見られ、これに応じて駐車サポートなどの付加機能が急成長すると予測している。
また同社によると、米国と欧州市場が2018年の自動車装着用イメージセンサーの出荷需要の2/3を占有。これは主に安全規制への対応によるものだ。例えば、2018年5月以降に生産される自動車は、米国運輸省道路交通安全局の指導により、後方カメラ装着が義務付けられている。今後も前方監視のADAS用カメラの需要は伸び、2023年には米国で販売される車には1台当たり3個以上のカメラが搭載されると予測している。
加えて、新興国の中でも厳しい安全規制を設けている中国も、数年後にはイメージセンサーで最大の市場へと成長すると見込む。Euro-NCAP(ヨーロッパ新車アセスメントプログラム)の中国版であるNCAPにより、中国での車1台あたりのイメージセンサー数も増えるという。