「科学者になろう!」と言っても女の子には響かない?――科学の道を歩ませるには男の子とは違った一言が必要と判明

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学研教育総合研究所の「小学生白書Web版」2018年9月調査によると、科学者や考古学者などの「研究者」は将来なりたい職業として小学生女子に人気がないようだ。将来なりたい職業として研究者を選んだ小学生は、男子が2.7%だったのに対して、女子は0.8%だった。

科学者という職業はなぜ女の子に人気がないのだろうか――。その理由を心理学的に研究した結果が2019年2月5日付けの『Psychological Science』に掲載されている。ニューヨーク大学(NYU)とプリンストン大学の共同研究によると、「科学者になろう」ではなく「科学しよう」と声を掛ける方が女の子には効果的だという。

研究者たちは4~9歳の子どもたち501人を対象に、特定のフレーズで声を掛けた後に科学的なゲームをさせる実験を行った。実験では子どもたちを2つのグループに分け、一方には「科学者になろう! 科学者は世界を探求して新しいことを見つける人だよ!」と“アイデンティティ”に重点を置いた声掛けをした。他方には「科学しよう! 科学することは世界を探求して新しいことを見つけることだよ!」と“行動”に重点を置いた声掛けをした。

その後、研究者たちは子どもたちがどのくらいの時間ゲームに取り組んだかを計測し、取り組んだ時間が長いほどやる気があると判断した。実験の結果、「科学しよう」と言われた女の子の方が、「科学者になろう」と言われた女の子に比べてやる気を示す、つまり長くゲームに取り組むことが分かった。その理由について、「科学者になろう」と言われると「女性は科学の分野では成功しにくい」という世間の偏見に囚われるからではないかと、NYUのMarjorie Rhodes准教授は分析する。

一方、男の子の反応は年齢などにより異なった。例えば、ある実験では5歳未満の男の子は「科学しよう」と呼び掛けられた方がやる気を示したが、それ以上の年齢になると「科学者になろう」と呼び掛けられた方がやる気を示した。つまり、5歳以上の男の子の場合は女の子とは逆に行動ではなくアイデンティティに焦点を当てるとやる気を示したという。

「科学分野の業績における男女格差は、幼少期に端を発している」と、Rhodes准教授は考える。今回の研究は、幼少期の科学への関わりに対する性差を減らすための示唆を与える。科学に限った話ではないが、年齢や性別に応じた適切な声掛けが子どもの教育には必要である可能性がある。

関連リンク

“Doing Science,” Rather than “Being Scientists,” More Encouraging to Girls, New Research Shows
小学生白書Web版2018年9月調査

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